現在位置: ホーム ja 全学共通科目 (〜2010年)統計物理学 シラバス

シラバス

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[担当者]

冨田

[授業計画]

まず、気体分子運動論では、圧力だけでなく高等学校の物理では扱わない衝突数をも求め、これから導かれる平均自由行路を計算することにより、気体の実態を明確に把握することにつとめる。これにより初めて、多数分子系を統計的に扱うことが現実的であることを理解できる。

次に、気体に限らず一般の多数分子系の力学的状態の記述に必要な位相空間を導入する。これを用いて、熱平衡状態が存在するためには、代表点の軌道がどのような性質を持たなければならないか、いわゆるエルゴード性の概念にふれる。これにより、現実には不可能な時間平均計算を統計平均計算で置き換える「統計集団」の考え方を導入することができる。

まずミクロカノニカル集団とその応用としてのマクスウェル・ボルツマン分布の導出、さらに統計力学の基礎となる、エントロピーに関するボルツマンの関係式、すなわち異質な法則である力学と熱力学を結びつけた重要な公式を扱う。

ついで、カノニカル集団、大きいカノニカル集団を導入し、分配関数の方法など、その処方を講義する。

後半は、古典系、調和振動子系、固体比熱、プランクの熱放射式などの応用を扱い、最後に、量子統計にもふれる。

* 高等学校数学の「順列と組み合わせ」の基礎が必要となる。1回生でも受講可能であるが、力学の運動方程式、熱力学のエントロピーや自由エネルギーの概念を理解していることが前提となる。後半では量子力学の離散的エネルギー準位の考え方を知っていることが望ましい。